βグルカンの機能性表示食品の特徴

機能性表示食品の中にはβグルカンを使用している製品があります。健康だけでなく美容にも良い成分としてβグルカンはよく着目されていますが、どのような特徴を持っているのでしょうか。機能性表示食品として販売されていたときに購入するべきなのかどうかで悩んだときのために、βグルカンの特徴を理解しておきましょう。

機能性表示食品のヨーグルトを一覧から選んでみよう

βグルカンはブドウ糖が連なったもの

βグルカンとはブドウ糖が連なってできているポリマーの一種です。ブドウ糖は最もポピュラーな糖類の一つで、人の場合には脳の直接的な栄養源になる唯一の糖としてもよく知られています。ありふれている糖の一ついう影響もあって、自然界にはブドウ糖を原料として作られているポリマーがたくさんあります。

例えば、米やジャガイモなどに含まれているでんぷんはブドウ糖が連なってできているポリマーです。人はアミラーゼという酵素を持っているため、でんぷんを分解してブドウ糖にすることができます。そして、ブドウ糖を吸収して重要なエネルギー源としているので、米やジャガイモを主食として食べるケースが多くなっています。

一方、植物の硬い繊維の元になっている成分はセルロースと呼ばれています。セルロースもでんぷんと同じでブドウ糖が連なってできたポリマーです。ただ、セルロースは人には消化できないので、ブドウ糖になって吸収されることはありません。

でんぷんとセルロースではブドウ糖のつながり方が違っていて、でんぷんを分解できるアミラーゼではセルロースは分解できないのです。セルラーゼと呼ばれる酵素を持っている生き物ならセルロースを分解してブドウ糖にできます。

しかし、人はセルラーゼを持っていないので、セルロースを食べた場合にはそのままの形で排泄されることになります。βグルカンもでんぷんやセルロースと同じようにブドウ糖からできていますが、どちらともつながり方が異なっています。

人の持っている酵素では分解できないことから、食べたらブドウ糖になって吸収されてしまうということはありません。しかし、食べたときに消化管内で起こることはセルロースとは異なっています。その点が注目されてβグルカンが機能性表示食品の成分として利用されるようになったのです。参照>薬事法ドットコム|機能性表示食品

βグルカンは食べるとどうなるのか

βグルカンは人が持っている酵素では消化吸収されません。しかし、セルロースに比べるとβグルカンを分解できる酵素を持っている生き物は多いのが特徴で、腸内細菌の中にはβグルカンを分解して栄養にできるものもいます。

ただ、どの腸内細菌でも簡単にβグルカンを分解できるわけではありません。ある程度の分解を受けたら便の一部として排泄されることになります。そのため、βグルカンは一般的な食物繊維と同じような役割を果たします。

βグルカンを食べても基本的には人の消化管で吸収されないので、カロリーになることはありません。しかし、一部の腸内細菌にとっては栄養源となって増殖を促します。そして、残った分は便のかさを増やすのに貢献するというのがβグルカンの特徴です。

βグルカンがもたらす作用とは

βグルカンを機能性表示食品から摂取するとどのような作用があるのでしょうか。基本的には食物繊維として機能するので便のかさを増やします。βグルカンは水溶性食物繊維の一種なので、水を引き付けて吸着し、膨潤する性質を持っているのが特徴です。

そのため、不溶性食物繊維のように硬くて滑りが悪い便ではなく、柔らかくて水っぽく、滑りが良い便を作るのを助けます。また、腸内細菌の中でもβグルカンを栄養にできるのは一般的に善玉菌と呼ばれているものがほとんどです。

そのため、腸内環境を整えるのにもβグルカンが役に立つと考えられるでしょう。

一方、βグルカンには吸着作用があることも知られています。機能性表示食品として届け出をしているケースでは、この点に着目している場合が多くなっています。水溶性食物繊維には一般的に水溶性の物質を吸着しやすいのが特徴です。

βグルカンはブドウ糖が連なってできているため、似ている構造を持っている糖類を吸着しやすい性質があります。

βグルカンへの糖類の吸着は可逆性があるので、くっつけて吸収させないわけではありません。しかし、吸着されている間は消化管から吸収されないので、糖の吸収速度を低下させることができます。結果として食事による血糖値の上昇を緩やかできるのがβグルカンの特徴です。

血糖値対策としておすすめされているのはこのような作用があるのが理由です。

βグルカンは何に由来しているのか

βグルカンは大麦やハトムギ、メシマコブなどの様々な植物が持っています。機能性表示食品ではこれらをそのまま使っているか、βグルカンを抽出して配合している場合が多くなっています。近年では酵母を使って発酵することによってβグルカンを作る技術も生み出されました。

そのため、サプリメントなどでは発酵によって作ったβグルカンを使用していることも少なくありません。どの由来であってもβグルカンということには変わりはありませんが、原料の種類によってはアレルギーなどの問題が生じることもあります。

機能性表示食品を選ぶときには名に由来のβグルカンかを確認するようにしましょう。

βグルカンの摂取のタイミング

機能性表示食品としてβグルカンを摂取するときにはタイミングが重要なので押さえておきましょう。血糖値が気になっているからβグルカンを摂取したいと思っているなら、食事の前に食べるのが大切です。βグルカンは糖類を吸着して吸収を遅らせるのが特徴なので、糖類が消化管に入ってきたときには既に小腸の中にあるのが望ましいのです。

一般的には食事の30分前が良いと言われていますが、少なくとも食中や食後を避けて食前には摂取しましょう。機能性表示食品にはこのような摂取方法についても明記されています。記載されている作用を期待するなら、その指示に従って使用するのが大切です。

βグルカン含有の機能性表示食品を使っていこう

βグルカンは魅力的な作用を持つ水溶性食物繊維の一種です。機能性表示食品としては血糖値が気になる人に向けた説明が書かれているのが一般的ですが、性質を考えると他にも健康や美容に良い作用があると期待できます。

興味を持ったらβグルカン含有の機能性表示食品を手に取ってみましょう。タイミングを守って摂取を続けるのが大切だということも念頭に置いて食生活に取り入れるのが大切です。